
株式投資やトレードにおいて、「チャート分析 初心者」から脱却して一歩レベルアップするためには、しっかりとしたパターンの理解が不可欠です。カップウィズハンドル(Cup with Handle)は、チャートパターンの中でも特に信頼性が高いとされる上昇継続パターンですが、カップウィズハンドルについて、
「形は分かるけれど、実際その後どう動くの?」
「短期と長期ではどう違うの?」
「金(ゴールド)でも使えるの?」
「逆三尊との関係は?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、カップウィズハンドルの基本だけでなく、形成後に起こりやすい値動き(その後)、短期・長期の使い分け、金(ゴールド)での事例逆三尊との違いと組み合わせなどの応用的なポイントまで丁寧に解説します。
初心者にも分かりやすく、上級者が確認に使える深度でまとめていますので、この記事を読み終える頃にはカップウィズハンドルを「実戦で使える武器」にできるはずです。
カップ・ウィズ・ハンドルとは?
カップウィズハンドル(Cup with Handle)とは、株式チャートに現れる代表的な上昇継続パターンで、価格推移が「大きなカップ(丸底)」と「小さな取っ手(ハンドル)」の形に見えることから名付けられています。
過去の上昇トレンドの中で形成されるこのパターンを理解することで、ブレイクアウト買いのタイミングを掴み、トレードにおける精度を高めることが可能です。
アメリカの投資家ウィリアム・オニールが提唱し、彼の有名な投資手法「CAN-SLIM」でも重要視されているシグナルです。特に、力強い上昇相場に入る直前に現れることが多く、世界中のトレーダーが注目するパターンとして知られています。
カップウィズハンドルは上昇相場の序盤に現れやすく、適切に判断できれば大きな値幅を狙える強力なチャートパターンです。後述する形状・角度・出来高の3点をセットで見ることが、勝率を高めるポイントと言えるでしょう。
カップ・ウィズ・ハンドルが注目される理由とは?
では、なぜこのパターンが多くの投資家・トレーダーに注目されるのでしょうか。背景・心理・構造の観点から説明します。
(1) 継続トレンドの可能性
このパターンは、上昇トレンドの途中で現れる「継続パターン(Continuation Pattern)」としての性格を持ちます。つまり、既にトレンドが出ている銘柄が、一旦持ちこたえて休憩(ベース形成)し、その後に再び上昇を開始する可能性を示唆しています。
トレンドが出ている銘柄・状況で発生するため、比較的信頼性が高いとされるわけです。
(2) 調整による「買い直し・出直し」機会
カップの底~ハンドルの形成時には、以前の上昇で利益確定した投資家が手放したり、新興投資家が参加したりという調整が起こります。この“調整フェーズ”を経て、再び上値を試すという流れは、トレンド復帰や資金の再投入という現象を反映しており、心理的にも“次の波に乗ろう”という準備段階と解釈できます。
(3) 明確な「買いポイント」が存在する
ハンドル上限を突破する瞬間が「次の上昇へのスイッチ」として機能しやすいため、初心者〜中級者でも比較的エントリーのルールを引きやすい点がメリットです。実際、「ハンドル上端を超えたら買い」というシンプルな指針がトレーダーに使用されています。
これらの理由から、「チャート分析 初心者」にとって学びやすく、「ブレイクアウト 買い」を狙う戦略として人気があります。
カップ・ウィズ・ハンドルの見つけ方・ポイント
それでは実践フェーズ。どのようにチャート上でこのパターンを探し、押さえるべきポイントは何かを整理します。
(1) 時間軸・チャート選び
日足・週足といった、ある程度時間を伴うチャートの方が信頼性が高いとされます。低時間足(例:5分足・15分足)ではダマシが多いため注意。
初心者の方はまず「日足チャート」でゆったりとパターンを観察すると良いでしょう。
(2) カップの形状条件
まずカップ部分は、株価が高値からじわじわと下落し、その後ゆっくりと回復する“ラウンドボトム”型の値動きになります。この丸みを帯びた形が、株価の売り圧力が徐々に弱まり、買いが増えていく健全なプロセスを表しています。カップの下落幅は一般的に高値から12〜33%程度が理想とされ、深すぎても浅すぎても信頼性が下がるとされています。上昇トレンドの中で一旦ピークを付け、価格が下がった後、再び元のピーク付近まで戻るU字の底形成があるとされています。
- U字形の底ができているか/V字急反転ではなく、ゆるやかな底が望ましいです。
- カップの深さ(高値からの下げ幅)が極端に大きすぎないこと。例えば30〜50%程度の下落で 底を作るケースが多い。
- カップの左端と右端が比較的同じ水準か、右端がやや高めが理想。完全に左右対称でなければならないわけではありませんが、バランスは重要。
(3) ハンドルの形状条件
次にハンドル部分は、カップの右側で起きる短期の小さな押し目で、株価が一旦調整しながらも売り圧力を吸収する過程です。通常、下落幅は10 ท่าน%以内、期間は数日から数週間と短期間です。この「小さな休憩」によって上値抵抗が減り、ブレイクアウトのエネルギーを蓄える役割を果たします。カップの戻り高値付近で価格が少し調整(下降または横ばい)し、再びその上値を抜く準備をします。
- カップの右側高値付近から、少し下がる、または横ばいで小さな調整が入ること。
- ハンドルの下げ幅がカップに比して浅めであること。一般にハンドルの調整幅はカップの深さの1/3程度以下が望ましい、とする説もあります。
- 調整期間は短め(例:数週間)で、ダラダラ長くなりすぎない形が望ましい。
(4) ブレイクポイントと出来高(ボリューム)
ハンドルの上限(しばしばカップの高値付近)を上抜けることで「買いシグナル」が発生することがあります。
このように、「U字の底+小さな調整=大きな上抜け」構造がこのパターンの本質です。カップウィズハンドルは、単なる形だけで判断するのではなく、出来高の減少と増加のリズムも重要です。カップ形成中は出来高が徐々に減り、ハンドルを抜ける瞬間に出来高が急増するのが理想的なパターンです。これは「本物の需要が入った」ことを示すため、買いシグナルとしての信頼度が高まります。
- ハンドルの上端(抵抗線)を抜けるタイミングが、エントリーの候補となります。最も重要なのは「ハンドル上部を、出来高を伴って明確に抜けるかどうか」です。長いヒゲだけの突破は信頼性が低いため注意が必要です。
- 出来高が増える(=買いが強まる)と信頼性が高まります。出来高が増えていない場合、ダマシの可能性があります。
(5) リスク管理・損切りポイント
ハンドル形成中~ブレイク後に想定を外れた動きが出ることもあります。損切り(ストップロス)を必ず設けましょう。一般的にはハンドルの下側、もしくはカップ底付近を損切りラインとする考え方があります。
パターンだけで飛びつくのではなく、リスク・リワード(利益対損失比)を意識することが重要です。
カップウィズハンドルのよくある失敗パターン
どんなチャート手法でも“万能”ではありません。特に初心者が陥りやすいポイントを押さえておきましょう。

1,カップの深さが大きすぎる(例:50%以上下落)と、立ち上がりが鈍く失敗するケースがあります。カップが浅すぎるのも注意です。
2,ハンドルが形成されず、カップだけでエントリーしてしまうと「ハンドル抜け+高い出来高」という条件が整っておらず、ダマシになりやすいです。
3,期間が短く形だけ似ているパターンも注意です。
4,抵抗線突破後もすぐに戻される“フェイクブレイク”が発生することがあります。出来高が小さい場合は特に注意。
5,上昇トレンドが弱い、あるいはそもそもトレンド転換局面でパターンが出ている場合、期待する動きにならない可能性があります。
6,トレードし過ぎ、損切りを設定せず抱え込むなど、リスク管理を怠るとパターンを知っていても資金を失いかねません。
初心者に簡単に見分けのつく下記の5つをチェックするだけでも成功率は大幅に向上します。
カップが丸く、V字でない
出来高が減ってから再び増える
ハンドルが深くない(10%以内が目安)
抜ける時の出来高が明確に増えている
長期トレンドが上向きになっている
こうした点を踏まえ、「チャート分析 初心者」でも無理なく学べるステップを踏んでいくことが成功への鍵となります。
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カップウィズハンドルの 「その後」 の値動き
カップウィズハンドル完成後に起こりやすい展開
カップウィズハンドルが完成したあと、最も注目すべきポイントは「ハンドル上部の抵抗線を突破するかどうか」です。ここを出来高を伴って明確に抜けていくと、多くの場合は強い上昇トレンドが続きます。これは、ハンドル部分での売りを消化したことで上値を抑える圧力が減り、買いが一気に入りやすくなるためです。
ブレイクアウト後の典型的な動きは次の通りです。
- 抵抗線を突破(出来高増加)
- その後、軽い押し目(プルバック)が入る
- 前の高値を上抜いてトレンド継続
特に②の押し目は「健全な調整」で、ここで下がったからといってすぐ弱気になる必要はありません。むしろその押し目を拾うことで、より精度の高いエントリーが可能になります。
カップウィズハンドル失敗後に見られるその後の動き
一方で、カップウィズハンドルが「失敗」するケースも存在します。以下が典型的な失敗パターンです。
- ブレイクアウト時に出来高が増えない
- 抜けた直後、すぐにハンドルの底を割り込む
- 抜けたのがフェイクブレイク(だまし)だった
特に気をつけたいのは“出来高なしのブレイク”。見た目だけで突破しているように見えても、買いの勢いが弱いと戻されやすく、そこから下落トレンドに入ることすらあります。
また、市場全体の環境(地合い)が悪いとパターンが崩れやすいため、個別銘柄だけでなく指数やセクターの状況もチェックすることが成功率を高めるポイントです。
カップウィズハンドル後の目標値の計算方法
す。それは「カップの深さを上に足す」という考え方です。
目標値= ブレイクポイント +(カップの高値 − カップの底値)
例えば、カップの高値:1000円、カップの底値:800円、ハンドル上部(ブレイクポイント):950円の場合、
→ 深さは200円
→ 目標値は 950円+200円=1150円
もちろん相場の強さや市場環境によって変わるため絶対ではありませんが、この計算は多くのトレーダーが使う一般的な方法です。
上昇力が強い銘柄では、目標値を大きく上回る場合もあり、特に成長株の初動で出るカップウィズハンドルは大きな値幅を狙える可能性があります。
短期・長期別のカップウィズハンドルの見方
短期チャートで見たカップウィズハンドル
短期チャート(5分足〜日足)にもカップウィズハンドルは現れますが、長期と比べると“だまし”が多く、慎重な判断が必要です。特にデイトレ・短期スイングでは、出来高や市場のノイズによって形が崩れやすいため、「カップ」と認識しても本物ではないケースが多発します。
短期での成功パターンは、下記の条件がそろったときに多く見られます。
- はっきりしたラウンドボトム
- 出来高が明確に増減
- ハンドルが浅い
短期ほど判断が難しいため、初心者はまず日足〜週足で練習するのが最も確実です。
長期チャートで見たカップウィズハンドル
長期チャート(週足〜月足)で現れるカップウィズハンドルは、非常に信頼度が高いパターンです。数ヶ月〜1年以上かけて形成される大きなカップは、機関投資家の大きな仕込みが背景にあるケースが多く、ブレイク後は強力な上昇トレンドを生むことがあります。
長期パターンの特徴としては、下記が挙げられます。
- カップの深さが比較的ゆるやか
- 出来高が段階的に減少
- ブレイク後は長期トレンドにつながる
成長株の初期段階や、長い調整期間を終えた銘柄に多く、個人投資家より機関投資家が重視する形でもあります。
カップウィズハンドルの短期と長期の意味の違い
短期 → ノイズが多い。値幅は小さい。だまし率が高い。
長期 → 信頼度が高い。値幅が大きい。資金の大規模な移動が背景にある。
カップウィズハンドルは、本来「中期〜長期トレンドの継続」を示す指標であり、長期のほうが本来の性能を発揮できます。
(ゴールド)におけるカップウィズハンドル
金(ゴールド)相場でカップウィズハンドルが有効な理由
金(ゴールド)相場は、長期的に上昇しやすい傾向があり、5〜10年単位で大きなトレンドを作ります。そのため、金(ゴールド)は長期チャートでカップウィズハンドルが形成されることが意外と多い市場です。
金は株と違い「景気後退や不安材料」で買われることが多く、長期の押し目が非常に滑らかになるため、典型的なラウンドボトムが生まれやすいのも特徴です。
過去の金(ゴールド)チャート代表例・注意点
代表的なのは、長期上昇→調整→再上昇という金相場特有の動きの中で、数年単位でカップウィズハンドルが現れるケースです。
金は「地政学リスク」「FRBの政策」「ドル指数」など外部要因に左右されるため、チャートが綺麗でも外部環境で急変することがあります。
そのため、ブレイク時には出来高とニュースチェックフェイクブレイクに注意
が特に重要になります。
ゴールド(XAUSUSD)の取引に関しては、下記の記事もご覧ください。
〉XAUUSDとは?ゴールド取引のメリット・デメリット・賢い取引方法を解説
カップウィズハンドルと逆三尊の違いと組み合わせ
カップウィズハンドルと逆三尊の違い

逆三尊は「底打ちの反転パターン」で、下降トレンドの終わり→上昇トレンドへの転換を示すものです。一方、カップウィズハンドルは上昇トレンドの継続サインであり、すでに上げ基調にある場面で出るのが基本です。
形状は似ている部分がありますが、役割は全く異なります。
どちらが上昇に強いサインか
逆三尊 → トレンド転換の力が強い
カップウィズハンドル → 上昇継続の力が強い
どちらも強力ですが、逆三尊のほうが一度に大きく跳ねやすく、カップウィズハンドルは安定した上昇を示すことが多いです。
逆三尊とカップウィズハンドルが連続するケース
実戦では逆三尊 → 上昇 → カップウィズハンドル → 上昇加速という流れになることがあります。これは相場が「底抜けからの復活→本格的な上昇期へ移行」する強力なサインで、中長期の上昇に発展するケースが非常に多いパターンです。
実践:カップウィズハンドルのエントリー・利確・損切りの手順
ここでは、「カップ・ウィズ・ハンドル」を使った具体的な取引の手順をご紹介します。
1,チャートを日足で確認。上昇トレンドを伴った銘柄を候補に。
2,カップの形成を確認(U字底、戻り高値あり)。
3,ハンドルの形成に入るのを待つ(調整が浅めであることを確認)。
4,ハンドル上端ライン(抵抗線)を引き、抜ける瞬間を待つ。出来高の増加もチェック。
5,抜けた終値でエントリー(買い)する。もしくは、少し上にストップ買い注文を置く方法もあります。
6,損切りラインをハンドル下側、もしくはカップ底から少し上の位置に設定。損切り:ハンドル底を明確に割れたら撤退
7,利確目標は、カップの深さを抵抗線突破点に足した値を目安とすることが多いです。利益確定:カップの深さ分を上に足した“目標株価”を基準。欲張りすぎず、一部利確しながら保有するのが堅実です。
8,ブレイク後も押し戻しがあれば、押し目買いの機会となることもありますが、無理せずルールを守ることが大切です。
ポイントとして、初心者の方には「無理にたくさんトレードしない」「パターンが完全になってからエントリーを検討する」「出来高やチャート形状が理想に近いかを確認する」ことを強くお勧めします。
まとめ
本記事では、「カップ・ウィズ・ハンドル パターン」をテーマに、構造・注目理由・実践手順・注意点まで整理しました。改めて、押さえておきたいポイントを以下にまとめます:
- パターンは「上昇トレンド → カップ形成 → ハンドル形成 → ブレイク(買い)」という構造。
- 初心者は日足チャートでまず形を確認し、「U字底+浅めのハンドル+出来高増加」の条件が揃った時に注目。
- エントリー、損切り、利確のルールを明確にしておくことが重要。
- 注意点を把握し、ダマシ・フェイクブレイク・トレンドの弱さなどに留意する。
- カップウィズハンドルは比較的理解しやすく初心者のステップアップに役立つ。
カップウィズハンドルは、上昇トレンドの継続を示す非常に強力なチャートパターンです。形状・出来量・期間という基本要素に加え、短期・長期・コモディティ(金)での違いや、逆三尊との比較まで理解すると、実戦での精度が大きく向上します。
特にブレイク後の“その後の動き”を見極められるようになると、だましに惑わされず、トレンド初動に乗ることができます。チャートパターンは単なる形ではなく、市場の心理が集約されたサインであり、その本質を理解することで大きな値幅を狙える有効な武器となります。
カップウィズハンドルは、正しく使えば大きなトレンド初動を捉えられる強力な武器です。あとは“実際のチャートで反復すること”で精度が一気に上がります。
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