米ドル相場は昨日少し上昇したが、閑散とした市場で横ばいという全体像は変わっていないようだ。市場の関心は、7月の米消費者物価指数の発表に向かいつつある。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、市場予想に沿ったピーク金利に達した可能性を示唆した。しかし、同時にFRBの政策立案者でもあるリッチモンド連銀のバーキン総裁は、利上げ休止の可能性を示唆する発言に終始した。
この発言は、9月にも利上げを実施するシナリオを可能にするものだ。インパクトの大きい決算発表が少ないことから、市場は主にファンダメンタルズで動くと引き続き予想している。
一方、月曜遅くにムーディーズが多数の中堅銀行を格下げし、米国の大手銀行の一部も格下げするだろうと警告したため、米国株式市場は下落に転じた。格付け会社は、このセクターでは資金調達リスクと収益性の悪化が起こりうるとし、格下げを正当化した。さらにムーディーズは、米国の主要金融機関11行のアウトルックをネガティブに変更した。最近のシリコンバレーバンクとシグネチャーバンクの破綻は、このセクターに対する市場の不透明感を強め、格付け会社の予測をより保守的にさせた。全体として、この問題は市場心理の重荷となり、ダウ、S&P500、ナスダックの米国3大株価指数はすべて下落を余儀なくされた。
イタリアの銀行が最近得た予想外の利益に対し、イタリアが一度40%の課税を可決したため、欧州の銀行セクターに対する市場心理も昨日急落した。この発表は市場を驚かせ、ユーロ圏内の他の主要国にも同様の道を歩ませることになった。
その他の注目材料
原油投資家は、APIが発表した米国の原油在庫の増加を受けて、EIAの週間原油在庫統計の発表に関心を寄せるだろう。明日のアジア市場では、日本の7月企業物価の発表に注目したい。
USD/CAD 4時間チャート

Support: 1.3335 (S1), 1.3230 (S2), 1.3135 (S3)
Resistance: 1.3450 (R1), 1.3565 (R2), 1.3650 (R3)
US30 Cash Daily Chart

Support: 34970 (S1), 34320 (S2), 33585 (S3)
Resistance: 35735 (R1), 36445 (R2), 36620 (R3)



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