本日の欧州時間では、ユーロ圏の2月消費者物価指数が発表されるが、速報値である8.5%から大きく乖離することはないと予想される。昨日、ECBは、2月2日の前回会合でのラガルド総裁のスピーチを受け、昨日のレポートで予想されていた通り、50bpの利上げを実施した。しかし、金融政策決定会合の声明文では、「ユーロ圏の銀行セクターは強固な資本と流動性を有し、弾力的である」と投資家を安心させるため、銀行業界への言及に顕著な変化が見られるように、ECBの市場見通しは前回の会合から変化したことを言及することが重要である。この数日間、クレディスイスが破綻寸前まで追い込まれ、多くの投資家が欧州におけるシリコンバレー銀行シナリオを懸念していることから、今回の会合は極めて重要な意味を持つ。さらに、ECBは「インフレ率が高すぎる状態が長く続くと予想される」とし、利上げを継続する可能性を示唆したが、前回のように何bpの利上げを行うかを明確に示していない点が特徴的である。 ECBの、「必要であればユーロ圏の金融システムに流動性支援を提供するための完全な装備がある」という声明に見られるように、最近の出来事は、金融業界がECBが考えていたほどには回復力がないという警告サインとして機能したようだ。したがって、ECBはすでに、必要な場合には必要な程度に支援を行うだろうとの警告を発しており、実質的に市場を安心させている。
さらに、昨日のブルームバーグによると、スイスの最大政党はクレディスイスに対する国家保証に反対しており、クレディスイスの混乱が続けば、スイス人民党が連邦議会の2議席を占めていることから、政治的反発やスイス国立銀行によるさらなる支援へのサポート不足が予想される。
このニュースはスイスフランを大きく動かすことはできなかったが、スイス国立銀行から支援を受けたクレディスイスが、より正常な方法で業務を再開するために、顧客を回復させる必要があることを強調した。また、来週のスイス国立銀行の金利決定では、再びスイスの金融環境に負担をかけるような利上げが予想されている。 海外では、米国の2月の鉱工業生産と3月のミシガン大学消費者景況感が発表される予定だ。昨日、新規失業保険申請件数が予想を下回り、インフレ率の上昇にもかかわらず労働市場の回復力が高まっていることを示す可能性があり、来週開催されるFRBの会合に自信を与えることに留意しておく必要がある。
さらに重要なことは、JPモルガン、シティグループ、バンクオブアメリカ、ウェルズファーゴ、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックスなどの銀行連合が昨夜、過去5日間で50%も下落したファーストリパブリック銀行に300億ドルを一括入金することを発表したことで、銀行セクターを支え、市場の信頼をさらに高めるだろう。
その他の注目材料
米国時間では、上記のほか、カナダの2月生産者物価の発表がある。
EUR/USD 4時間チャート

Support: 1.0535 (S1), 1.0430 (S2), 1.0300 (S3)
Resistance: 1.0680 (R1), 1.0770 (R2), 1.0875 (R3)
USD/CHF 4時間チャート

Support: 0.9250 (S1), 0.9165 (S2), 0.9070 (S3)
Resistance: 0.9325 (R1), 0.9435 (R2), 0.9525 (R3)



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