パウエルFRB議長のスピーチでダウが上昇

昨日の米国株式市場は、パウエルFRB議長が下院でスピーチしたことを受けて上昇した。議長はスピーチの中で、 FRBが進める可能性のある利上げについて柔軟性を示したが、これは市場が期待していたような強固なタカ派的な方向性ではなかった。

FRB議長はスピーチの中で、「紛争はウクライナの人々に多大な苦難をもたらしている」と述べ、ウクライナ危機がもたらす不確実性にも言及した。また、「米国経済への影響は極めて不透明であり、状況を注意深く見守っていく」と述べた。米国時間には、米国2月のISM非製造業PMIの数値が発表される。この指標は、1月の59.9より上昇し、61.0に達すると予想されており、そうであれば、米国のサービス部門の経済活動が1月よりも速いペースで2月に拡大したことを意味するため、米ドルを上昇させるだろう。

同時に、1月の米工場受注増加率も発表される。1月の前月比-0.4%に比べれば、マイナスから脱却し、加速して前月比0.7%に達すると予想される。実際の成長率がそれぞれの予測に合致するか、さらに伸びた場合、米国の製造業が再び成長することを意味する。

また、米国から先週の新規失業保険申請件数が発表され、数値が下落すると予測されていることから、米国の雇用市場は2月の最後の1週間は引続き低下が続いていることを示唆しており、米ドルの支えとなっている。この発表は、2月の米国雇用統計が金曜日の米国時間で発表される前の、雇用市場に関する最後の指標として注目を集めている。2月のADP雇用統計の数値が昨日予想以上に下がったことに注意したい。

米国時間中にパウエルFRB議長が米上院議員に対して2回目のスピーチを行うほか、カナダのマックレム中央銀行総裁、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、下院の財務委員会にロジャース上級副総裁と共にビデオ会議への2度目の登場が予定されている点に注目したい。本日の欧州時間では、トルコの2月の消費者物価指数の発表に注目が集まる。予想通り加速し、前年同月比50％を超えた場合、この問題に対するトルコ経済の敏感さを考慮すると、トルコ中央銀行による利上げと金融引き締めへの圧力が高まる可能性がある。したがって、このようなシナリオでは、トルコリラが牽引される可能性がある。

その後、同月のスイスの消費者物価指数の発表が注目される。前月の前年同月比1.6％と比較すると、加速して1.8％に達すると予想されている。予想通り、あるいはそれ以上に伸びた場合、スイス経済のインフレ圧力が依然として高まっていることを意味し、スイス国立銀行が超低金利の金融政策を放棄することになるため、スイスフランはいくらか上昇することになるかもしれない。

US30 Cash 4時間チャート