昨日は、FRBの利上げペースが緩和されるとの期待が市場に残り、楽観的な市場心理が形成されたため、米ドルは対外的に弱含みで推移した。 市場がFRBの金融政策に注目していることから、本日はスウェーデンの中央銀行が主催するシンポジウムでのパウエルFRB議長のスピーチに注目したい。 FRB議長が実際に強いタカ派的なトーンを維持した場合、それは市場の予想と相反するため、米ドルをある程度上昇させる可能性がある。 ちなみに、昨日のFRB政策担当者の発言はかなりタカ派的で、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は金利が5%を超えると見ており、アトランタ連銀のボスティック総裁も同意見で「長い間」5%を超える金利が続くはずだと付け加えている(ブルームバーグ調べ)。
現時点では、市場はFRBが減速し、今年最後の四半期にいくらかでも利下げを行うという強い期待を持っているため、実際に市場の期待を覆すには、パウエルに代わって非常に積極的なタカ派的なトーンが必要かもしれない。 米国株式市場については、昨日週明けに様々なシグナルが発信されたが、市場の関心は週明けに始まる決算シーズンに向かっているようだ。 国際的には、ボルソナロ前大統領の支持者がブラジルの首都を襲撃したが、事態はすぐに収拾され、勢いはなくなったようで、市場への影響はほとんどなかったようだ。 中国の急速な経済再開は、今後数カ月の経済結果の改善と世界経済への打撃の緩和に対する市場の期待を高める傾向にある。
コロナウイルスが再流行するとの懸念があるにもかかわらず、中国の動向は全体的に市場心理を改善させる傾向があり、中国経済の結果はコロナに関する懸念よりも現時点では勝っているようで、豪ドルにもいくらかの支援を提供した。 カナダドルは対米ドルで1カ月ぶりの高値となり、市場心理の改善と昨日の原油価格の小幅上昇に支えられ、また11月の建築許可件数の増加率が加速したことから、カナダの建設部門の経済活動の拡大を示唆する傾向があった。
その他の注目材料
本日は、トルコの11月失業率、スウェーデンの11月GDP、ノルウェーの12月消費者物価指数の発表に注目したい。一方、原油投資家は、米国のAPI原油在庫週報の発表に関心を持つかもしれない。パウエルFRB議長のほか、ベイリーBOE総裁、シュナーベルECB理事、ティフマックレムBoC総裁のスピーチが予定されていることに注意したい。明日のアジア時間には、オーストラリアの11月消費者物価指数が発表される。
EUR/USD 4時間チャート

Support: 1.0715 (S1), 1.0585 (S2), 1.0440 (S3)
Resistance: 1.0845 (R1), 1.1000 (R2), 1.1180 (R3)
AUD/USD 4時間チャート

Resistance: 0.7010 (R1), 0.7125 (R2), 0.7265 (R3)



この記事に関する一般的な質問やコメントがある場合は、次のリサーチチームに直接メールを送信してください。research_team@ironfx.com
免責事項:
本情報は、投資助言や投資推奨ではなく、マーケティングの一環として提供されています。IronFXは、ここで参照またはリンクされている第三者によって提供されたいかなるデータまたは情報に対しても責任を負いません。