米ドルは昨日、3日連続で対米ドル相場を下げたため、金相場は続伸した。米国の第2四半期のGDP第2次推計値は、米国経済の成長を示したが、当初の計算よりも遅いペースであった。同時に、8月のADP雇用統計全国雇用者数は予想以上に減少し、米民間部門の雇用率が一段と鈍化したことを示唆し、金曜日に発表される同月の非農業部門雇用者数が減少するとの市場予想を高めた。また、インフレ率が鈍化しているとの指摘もあったが、本日さらに多くの指数が発表される見込みであり、米ドルの方向性に影響を与えるだろう。
FRBと日銀の金融政策見通しが、日銀の超金融緩和スタンスから引き続き乖離しているため、日本円は米ドル安に対して実質的に大きく値を上げることができなかった。中村日銀審議委員は今日のアジア時間で、日銀の早すぎる金融引き締めに警告を発し、
日銀のハト派的なスタンスに対する市場の期待を再確認した。日銀の超金融緩和政策は、全体として日本の通貨にとって引き続き重荷になると予想される。
昨日、スペインの8月消費者物価指数が加速し、ドイツの消費者物価指数が市場予想ほど鈍化しなかったため、ユーロが上昇した。フランスとユーロ圏の8月消費者物価指数が発表され、
予想よりも加速、あるいは減速するようであれば、ECBの次回会合での追加利上げの可能性が高まるため、ユーロが急伸するだろう。7月のECB理事会議事録が公表されるほか、シュナーベルECB理事がインフレの動向について声明を発表する。
その他の注目材料
ボスティックアトランタ連銀総裁とピルBOEチーフエコノミストのスピーチが予定されている。その後、カナダからは8月の景気動向指数、第2四半期の経常収支が発表される。米国からは、7月の消費税率、7月のコアPCE価格指数、週間新規失業保険申請件数が発表され、コリンズボストン連銀総裁がスピーチする。明日のアジア時間には、日本の製造業PMI(最終)と中国のCaixin製造業PMI(いずれも8月)が発表される。
EUR/USD 4時間チャート

Support: 1.0835 (S1), 1.0735 (S2), 1.0635 (S3)
Resistance: 1.0940 (R1), 1.1045 (R2), 1.1145 (R3)
USD/JPY 4時間チャート

Support: 145.10 (S1), 143.35 (S2), 141.50 (S3)
Resistance: 146.60 (R1), 148.80 (R2), 150.10 (R3)




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